Muse Spark 1.3:何が変わり、いくらかかり、どこで使えるのか
Meta の 9 月のモデルアップデートで、Muse Code の Muse Spark 1.2 が値上げなしで置き換えられました。目を引くベンチマークには但し書きがあり、請求額にとっては効率の改善のほうが重要かもしれません。
9 月 2 日にリリースされたもの
Meta は 2026 年 9 月 2 日、1.2 からわずか 4 週間で Muse Spark 1.3 をリリースしました。同日のうちに Muse Code を支えるモデルとして、また Meta Model API 上でも展開され、有料の開発者アクセスは 9 月 3 日に始まりました。API ではおなじみの 2 つのバリアントで提供されます。データが Meta のプロダクト改善に一切使われない muse-spark-1.3 と、使われるぶん大幅に安い muse-spark-1.3-contributor です。コンテキストウィンドウは 100 万トークンのままで、入力はテキスト・画像・動画、出力はテキストです。
Muse Code を使っているなら、何もする必要はありません。エージェントは自動的に 1.3 へ移行済みです。
実際に変わったこと
Meta は 1.3 を、素の能力よりも実環境での使いやすさを軸に打ち出しています。
- より長いスレッド。 1 つのスレッドの中で複数のワークフローにまたがる、より長期的な作業を持続できます。Muse Code がベータ版を卒業したときに加わった Workflows 機能と相性のいい改善です。
- 推測せずに質問する。 確認のための質問をし、行き詰まったときはそれを伝え、達成していない結果を報告するのではなく、自分の限界をより正確に見極めます。
- より無駄のない実行。 Meta のエンジニアによる比較では、同じコーディング作業を 1.2 よりツール呼び出しで約 20%、トークンで約 25% 少なく終えています。
請求書に表れるのは、この最後の点です。価格は据え置きなので、タスクあたりのトークンが減ればそのまま割引になります。あなたのワークロードでもこの削減幅が保たれるなら、1.2 でトークン代 $1.00 かかっていた作業は、1.3 では $0.75 前後に収まります。
ベンチマークの但し書き
Meta がローンチ時に出した成績表は強力です。ただし最も良い数字は max 推論構成によるもので、この構成はローンチ時点でまだ安全性テストの最終段階にあり、限られたパートナーにしか提供されていませんでした。この構成について、Meta が報告した数字は次のとおりです。
| ベンチマーク | Muse Spark 1.3(max) |
|---|---|
| DeepSWE 1.1 | 75.4% |
| Terminal-Bench 2.1 | 88.8% |
| SWEAtlas CodeBase QnA | 59.4% |
| ロングコンテキスト検索(MRCR、256K〜512K) | 98.5% |
DataCamp による成績表のまとめでは、これで DeepSWE において GPT-5.6 Sol(73.0)と Claude Opus 5(74.0)を上回ったことになります。一方、ローンチ時にほとんどの開発者が使える構成のスコアはそれより低くなります。VentureBeat の比較では、提供中のモデルは Artificial Analysis Intelligence Index で 61 と、GPT-5.6 Sol(max)や Claude Opus 5(high)と同水準でしたが、OSWorld 2.0(57.2 対 66.9)や JobBench(61.2 対 64.9)といったエージェントタスクでは max との差が見られました。冒頭の表は天井として受け止め、最初のセッションでの体感だとは考えないでください。
コスト
価格表は何も変わっていません。
| 100 万トークンあたり | Standard(muse-spark-1.3) |
Contributor(muse-spark-1.3-contributor) |
|---|---|---|
| 入力 | $1.25 | $0.10 |
| キャッシュ済み入力 | $0.15 | $0.002 |
| 出力 | $4.25 | $0.20 |
Muse Code の中では、$5 からの月額プランを選んでトークン課金を丸ごと避けることもできます。選択肢の比較は料金ページをどうぞ。
使える場所
- Muse Code — デフォルトのモデルです。
/modelでセッション中にバリアントを切り替えられます。 - Meta Model API — OpenAI と Anthropic の SDK にそのまま差し替えられる互換性があります。モデル ID を変えるだけで、コードはそのまま使えます。
- OpenRouter —
muse-spark-1.3とmuse-spark-1.3-contributorの両方が掲載されています。 - Cursor — チームプランとエンタープライズプランでは、まず管理者が Meta プロバイダーを有効にします。Cursor では 300K トークンのコンテキスト、Max Mode ならフルの 1M を、同じトークン単価で使えます。
Muse Spark はオープンソース?
いいえ。Muse Spark は Meta のプロダクトと API を通じてのみ利用できます。Meta のオープンウェイトモデルは、2026 年 8 月 10 日にリリースされた Muse Glimmer です。Muse Spark から蒸留された 300 億パラメーターのエージェント型モデルで、ライセンスは Apache 2.0。量子化すれば(約 20 GB)コンシューマー向け GPU 1 枚で動かせるサイズです。重みは Hugging Face で meta-models/Muse-Glimmer-30B として公開されており、Ollama や LM Studio で動作します。Meta は Glimmer を Muse Code 用のモデルとしては案内していないので、同じエージェントの無料版ではなく、別のローカルな選択肢と考えてください。
乗り換えるべき?
Muse Code を使っているなら、すでに乗り換え済みです。API 経由で Muse Spark 1.2 を呼び出しているなら、乗り換えはモデル ID を 1 行変えるだけです。ただし「トークンが減る」は平均値で、あなたのワークロードは平均ではないので、切り替えの前後で自分のプロンプトを走らせて確かめてください。Spark シリーズがここに至るまでの経緯は Muse Spark 1.2 の訓練についての解説を、ライバルのエージェントとの位置関係は比較ページをご覧ください。